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イタリア最高の詩人として有名なダンテの「神曲」の作者
はダンテではない?
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「神曲」といえば、地獄篇・煉獄篇・天国篇の三部から成る、
全14233行の韻文による長編叙事詩で、聖なる数「3」を基調とし
た極めて均整のとれた構成から、しばしばゴシック様式の大聖堂
にたとえられる。イタリア文学最大の古典です。
その作者がダンテではないとはいったいどういうことでしょうか?
ダンテが現代に生き返って
「あなたの書いた【神曲】について語ってください」
とインタビューされたら、
「俺はそんなものは書いちゃいない!」
と怒るかもしれません。
なぜでしょうか?
それは、【神曲】というタイトルは、三世紀も後のベネチアのある
編集者が勝手につけたもので、ダンテ本人がつけたタイトルは【劇】
だったからです。
詩の才能は有ってもネーミングセンスはなかったんでしょうか......。
作者がつけたわけでもないタイトルがたまたま歴史に残ったという
レアなケースなのです。
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≪今回の「本当かよ?」度≫
★★★☆☆(星3.0)
神曲は多くの漫画家にも影響を与えています。
永井豪の漫画『デビルマン』の世界観は、彼が幼少期に読んだ子供向け
の『ダンテの神曲物語』の影響を受けたものですし、車田正美の漫画『聖闘
士星矢』冥界編の舞台はダンテの地獄をほぼそのままなぞっており、独自
の解釈による地獄の情景が描かれています。
ゲームの世界では、人気RPG『ファイナルファンタジーIV』に登場する、
スカルミリョーネ・カイナッツォ・バルバリシア・ルビカンテら四天王の
名前は、地獄界の第五の嚢(マーレボルジェ)に登場するマラコーダ配下
の地獄の鬼ども(悪の爪、マーレブランケ)から取られたものですね。
神曲は現代のマンガ・アニメ・ゲーム界にも相当大きな影響を及ぼし
ていることは間違いありません。
すごい、すごすぎるよ。ダンテさん。
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